ウシノシタ

画像いっぷう変わった姿かたちの植物を集めたという温室の中で、一生一枚の“牛の舌”を連想する大きな葉で過ごす珍植物という説明パネルの前に、そのウシノシタStreptocarpus wendlandii Sprenger)が咲いていました。

アフリカとマダガスカルに約130種が知られているイワタバコ科のストレプトカルプス属の1種で、南アフリカ東部、トランスバール、ナタール地方が原産地です。
この、1個体に1枚の大きな葉は子葉です。2枚生じた子葉の内の1枚だけが成長したもので異型子葉と呼ばれています。いわゆる本葉は形成されません。
こうした特異な形質は旧世界のイワタバコ科にだけ見られ、新世界では観察されていないそうです。
またこのタイプの異型子葉植物(南アフリカでは10種ほどが記載されています)は花咲けば枯れてしまう一回結実植物です。実生から開花まではうまくいっても数年かかるそうです。
野の花便り~秋~」に ホソアオゲイトウ を追加しました。

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この記事へのコメント

bm
2010年09月12日 12:43
リコリスさん、こん**は
6月に京都府立植物園で初めて見て、変った形だと思いましたが、成長の仕方もも変っていたんですね。
結実まで数年かかるのでは、成長を急ぐために本葉を形成しないということでもないようだし・・・・。一生に葉一枚の選択肢はリスクが高いと感じます。
安全性の極めて高い環境なのでしょうか。
あるいは虫には絶対食われないぞっ!という強い意志をもっているとか(^^;
植物の選択する生存戦略は、不思議だらけです。
リコリス
2010年09月13日 09:49
bmさん、コメントありがとうございます。
おっしゃるとおりですね。自然選択はまさに神の手ですね。
ウシノシタの仲間の自生地は湿った藪や草原の中の、直斜光が遮られるような岩場の割れ目などだそうです。写真を見ると葉の先の方はぼろぼろになっていますが、普通の葉と違って、基部に特別な分裂組織があって成長を続けることができるそうです。
リスクはあっても、多少の食害なら補充できるということでしょう。
花が咲いて実をつければ、芥子粒よりはるかに細かな何万もの種子を放出するそうです。これもリスク回避の戦略でしょうね。
たいしたものです。生き物です。

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